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雪の日の空に

第7章 偽りの関係

目を覚ますと、カーテンの隙間から朝日が差していた。

もう朝か…。

虚ろな意識の中、佐月さんの寝顔が目に入る。

起こさない様に体を佐月さんの方に向けて、そっと頬を撫でた。

睫毛…長い。

鼻は高く、薄めの唇…。

頬からなぞるように唇に指を這わせ

この唇が、自分に触れていたんだと改めて思う。

「ひゃっ、さっ佐月さん。」

唇に触れていた手がグッと佐月さんの手に捕まる。

「寝込みを襲うなんて、ゆきはいけない子だな。」

「おっ、襲うなんてっそんな事…。」

「フッ…、それより時間は大丈夫?」

「え?」

時計に目をやると、出社時間まで1時間程しか無かった。

やばっ…、遅刻するっ。

ガバッと布団から飛び起きる。

「いったぁ…。」

腰のあたりに激痛が走り、体も少しダルい。

「腰痛むの?…昨日ちょっと激しすぎたかな?」

確かにあんな体勢でしたのは初めてだったけど…。

思い出すと顔が熱くなる。

「すみませんっ、私…準備しなきゃ。」

赤くなった顔を隠す様に、いそいそとベッドから這い出た。

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