
エスキス アムール
第11章 デート
「よく、くるんですか?」
そこのカフェは、
おしゃれで、
レトロで落ち着いた雰囲気の店構えだった。
「うん、たまにね。友達と」
友達。
そう付け加えられた言葉に
体が反応する。
友達って、女の人かな。
二人で、来るのかな。
そういえば…
大野さんって好きな人とかはいないのだろうか。
「はるかちゃん…?」
そういえば、
そんなこと考えたこともなかった。
いてもおかしくない。
それに、大野さんに好意を寄せる人だってたくさんいるはずだ。
「はるかちゃん…!」
「…っ」
気が付くと、大野さんが
心配そうな顔をして
こちらを見ていた。
「ごめんね、
…ここじゃあ嫌だったかな。」
「い、いえ!
そんなことありません…っ」
