
エスキス アムール
第11章 デート
「ごめんなさい…。
私…緊張しちゃって…」
そう言って、俯く。
「あー、
だからそんなによそよそしいんだー」
そんな私に、
彼はそう言ってふにゃりと笑った。
「俺もね、緊張してるよ」
え…?
その言葉に顔を上げると、彼と目が合う。
大野さんは、
すぐに目をそらして泳がせると、
「昨日もさ、
あんま眠れなくてさ」
そう、耳を真っ赤にして言った。
「コーヒーお二つと
ランチセットです。」
二人して笑ったところに、
ちょうど注文したものが運ばれてきた。
「おいしい…」
コーヒーを一口飲むと、
それは、本当に美味しかった。
「でしょ?
これ初めて飲んだとき、
本当に感動しちゃってさ、
友達と、しばらく毎日通いつめたこともあるんだよね。」
