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エスキス アムール

第11章 デート






「…あ、の… 」



「っ!あ!ご、ごめん!」


私の真っ赤になった顔を見て、
大野さんは
ようやく気が付いて

手を離し
一歩下がった。


温かかった手に、
風が入り込んで
とてもさみしく感じる。



わたしは、
目も合わせられないまま、
俯いた。


「行こう」

大野さんは一言言うと、
歩き出す。

真っ赤になった
私を見て
どう思っただろうか。

好きなことがバレただろうか。
だとしたら、
大野さんはどう思う?

迷惑だと思うかもしれない。
嫌だと思うかもしれない。


もう、

お店に
来てくれなくなるのかもしれない。




「ストラップさ、つけてみてよ」



結局私たちは、
どこにも入らず、ベンチに座った。

大野さんの言葉に、
ストラップを取り出して
プライベート用のスマホを取り出し、つける。

「…可愛い」


「……」






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