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エスキス アムール

第11章 デート






「波留だ!やっぱり!」


そう言って、
近づいてくる女性。


「…なんで…」


大野さんは、一言
小さな声で呟くと、

後退りをした。



とても
戸惑っている表情だ。


「なにしてるのー?
こんなところで」


そう言って、その彼女は微笑む。



私は、
その顔に見覚えがあった。

たしか、この人は
一度だけ訪れた
お客の秘書だ。



「この間はありがとう。
また、よろしくね。」

そう言って
大野さんの腕に触れる。

大野さんは
その腕を払うようにして、
また後ずさった。


まずい、
この人、もしかしたら
私のことを
覚えているかもしれない。


もし、風俗嬢と、
大野さんが一緒にいることが
バレたら…

大野さんが…



「あれ?あなた…」


その目は、
やはり、私に向けられた。


「…っ」


「…っはるかちゃん!!」






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