
エスキス アムール
第27章 彼とのカスタム
「ね、波留くん」
「うるさいな!なんだよ!」
「……抱き締めてもいい……?」
お願いと、
泣きそうな顔をして
小さな声でねだる。
彼はその僕の顔をみて、
頭を抱えた。
放っておけなくなってる。
放っておけなくなってる。
もう、可笑しくてしかたがない。
「……波留くん……」
「あー、もー!!
わかったよ!
お前が眠るまでだからな!!」
「ほんと?!」
狙い通りだ。
波留くんの顔は
赤くなっているのに
彼のテンションは
とても下がっていた。
彼に手を伸ばして抱き締める。
フワッと甘い香りがして、
とてもおちつく。
思っていた以上に、
本当によく眠れそうだ。
