
エスキス アムール
第27章 彼とのカスタム
思わず、声が出そうになるのを
必死で堪える。
だけど、反動で
もぞもぞと、
動いてしまった。
ばれたかな。
起きてるの。
波留くん。
どうしたんだろう。
彼の意図することがわからない。
僕の寝顔を見て
何を思っているのだろうか。
彼の優しい指先は
僕の輪郭を縁った。
くすぐったくて気持ちいい。
ドキドキしながら、
次の展開を待つ。
すると、今度は
目にかかった前髪を、
優しく優しく、掻き揚げた。
あー、気持ちー。
動物になった気分。
次は、何処に
触れてくれるのだろう。
期待に胸を膨らませたとき
バチッ
「おら!木更津起きろ!!」
思いっきりひたいを叩かれた。
いったーーー。
少し目を開けれは、
彼は赤い顔をしていて。
そのまま出て行こうとしたので
「波留くんキス…」
というと、
「知るか!!」
と、その日は頬に
キスをさせてはくれなかった。
……なんだ…?
