
エスキス アムール
第27章 彼とのカスタム
「波留くん」
「ん。」
ベッドに入って
名前を呼べば、彼は直ぐに頬を突き出す。
少し触れふだけのキスを落とすと
もぞもぞと、布団の中へ潜って行った。
「…波留くん」
「……」
まだこちらは慣れないみたいで。
頬を簡単に出すように、
簡単には抱きしめさせてはくれない。
僕の目標としては、
彼からおはようとおやすみのキスをして
彼から抱きついてきてくれるところを
ゴールとしたい。
まだまだ、道のりは長いな。
彼を抱きしめて
眠るようになってから、
癖になってしまって。
彼を抱きしめなければ
本当にぐっすり
眠れなくなってしまった。
彼の甘い香りが、
女の子でいう寝る前のアロマになって、
彼の優しい鼓動が子守唄のようになる。
彼を抱きしめて寝ると、
次の日、
スッキリと起きられる。
良い僕のクスリだ。
