
エスキス アムール
第28章 バレンタインデイ キッス
「最後はこれ。」
食事を食べ終えると、
波留くんが出すもの。
先程から
甘い香りをさせていたお菓子。
「フォンダンショコラでーす」
「うわ、おいしそ」
彼は心なしか楽しそうだ。
波留くんってスイーツも作れるの?
本当に奥さんいらなさそう。
あまりに家事ができるから、
奥さんできても
イライラされるんじゃない?
そこにフォークを差し込むと
トロッと中から熱いチョコが溶け出した。
うまい。
すごくうまい。
甘すぎないで
ビターになってるし、
何よりトロトロ具合と
生地のフワフワ感がたまらない。
「うまい!
おいしいよ!!波留くん!」
「ふふふ。ありがとう。」
思いっきりテンションをあげて
いうと、
彼はふにゃりと
嬉しそうにわらった。
