
エスキス アムール
第32章 彼と実験
彼の朝の日課。
設計図を書くこと。
それが分かって、
彼の秘密が知れて気分がよかった。
だけど、実験は終わっていないのだ。
……拷問だ。
5週目、今日は木曜日だ。
明日が金曜日。
その次の日は休みだから、
本来ならシていたのだけど。
できないんだから憂鬱だ。
別に体が目当てってわけじゃない。
波留くんがいればいいんだけど、
好きな人が隣にいて禁欲生活を送っていると
もうだめだ。
今日は久し振りに仕事が早く終わって
いつもより随分早く帰路に着いた。
波留くんは夕食を作っている頃だろうか。
驚かしてやろうと思って、
ただいまとも言わずに
そおっと
ドアを開けて、リビングに近づいた。
その時だ。
「……ぁっ…や」
………なんだ?
この声…。
