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エスキス アムール

第33章 彼のシゴト





「大丈夫?」


「あ、ああ大丈夫大丈夫。
引っ越したんだよ
マスコミがすごくてさ…ハハ」

「よくすぐ見つかったね」

「まあ引越しっていうかね、見つけったっていうか…」

「は?野宿?だったら俺の家…」

「いや!違う。違う。
ある。家はあるんだ
ちょっといったところだよ」

「ふーん、今度遊びに行くな」


「お、おう。」


来るな!!
死んでも来るな!

ややこしくなる
やめろ。


要、君と逢うことがなかった
この何ヶ月かで、
僕は男の人を好きになりました。
人生って、どうなるのか
わからないものですね。

まだ俺と木更津のことは言えない。
というか、何から話したほうがいいのか、まだ整理がつかない。

要が驚いて、心臓が止めるかも知れない。
もう少し、タイミングを図ろう。



「と、とにかく
こんなとこでサボってないで
仕事しろ!仕事!」

「おう。ありがとう
また、呼んでくれて…。」


「同情で呼んだんじゃないよ
必要だと思ったから呼んだんだ」



「要だけにね?」


付け加えると、
いつものように頭を殴られたのは
言うまでもない。






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