
エスキス アムール
第45章 困惑と介抱
【波留side】
目が覚めたとき、自分がどこにいるのか全くわからなかった。
俺は木更津にさんざん抱かれ続けていて、いつものように意識を手放したつもりだった。
そこで記憶はないわけだから、当然起きる場所だって、自分の家のベッドの上だと思うだろう。
だけど、起きる直前、鼻を掠めた懐かしい優しい甘い香りに違和感を覚えた。
夢なのかと思った。
その続きで、起きてもなお、まだ夢だと思っていた。
だけど、手に触れる布団の感触も、大野さんと呼びかける声も、全てリアルに感じる。
おかしいと思って、誰かも分からずに俺の名前を呼ぶその人に手を伸ばして触れると、その人はビクリと震えた。
「…きさらづ…?」
………ではない。
その感触は女の人のようだった。
夢にしてもリアルすぎる。
だけど俺はさっきまで木更津に抱かれていたはずだ。
ゆっくりと目を開ける。
身体は怠かったけど、最近の調子の悪さから比べたらだいぶ楽だった。
「大野さん…?」
「…」
この声、知ってる。
…女の人…
……この香り…
懐かしい
「………はるかちゃん…?」
心当たりがあるその名前を呼ぶと、目の前にいる彼女は嬉しそうに声を上げた。
今、飲み物をとその足音は遠ざかる。
夢じゃないのか?
だとしたらなんでこんなところに。
辺りを見渡しても、携帯も何もない。
外は真っ暗で、もう夜中だということがわかった。
時間…。
木更津が心配するかもしれない。
腕についている時計で時間を見ようとしたとき
「え…、」
時計が腕についていないことに気がついた。
目が覚めたとき、自分がどこにいるのか全くわからなかった。
俺は木更津にさんざん抱かれ続けていて、いつものように意識を手放したつもりだった。
そこで記憶はないわけだから、当然起きる場所だって、自分の家のベッドの上だと思うだろう。
だけど、起きる直前、鼻を掠めた懐かしい優しい甘い香りに違和感を覚えた。
夢なのかと思った。
その続きで、起きてもなお、まだ夢だと思っていた。
だけど、手に触れる布団の感触も、大野さんと呼びかける声も、全てリアルに感じる。
おかしいと思って、誰かも分からずに俺の名前を呼ぶその人に手を伸ばして触れると、その人はビクリと震えた。
「…きさらづ…?」
………ではない。
その感触は女の人のようだった。
夢にしてもリアルすぎる。
だけど俺はさっきまで木更津に抱かれていたはずだ。
ゆっくりと目を開ける。
身体は怠かったけど、最近の調子の悪さから比べたらだいぶ楽だった。
「大野さん…?」
「…」
この声、知ってる。
…女の人…
……この香り…
懐かしい
「………はるかちゃん…?」
心当たりがあるその名前を呼ぶと、目の前にいる彼女は嬉しそうに声を上げた。
今、飲み物をとその足音は遠ざかる。
夢じゃないのか?
だとしたらなんでこんなところに。
辺りを見渡しても、携帯も何もない。
外は真っ暗で、もう夜中だということがわかった。
時間…。
木更津が心配するかもしれない。
腕についている時計で時間を見ようとしたとき
「え…、」
時計が腕についていないことに気がついた。
