
エスキス アムール
第47章 教え込まれたカラダ
【はるかside】
目が覚めると、大野さんはいなかった。
日本にいたときのことを思い出して、慌てて起き上がり辺りを見渡すと、仕事に行ったらしい。
置き手紙と、作ってくれた朝食が置いてあった。
じわじわと昨日のことを思い出して、恥ずかしさと後悔の波が一緒になって襲ってくる。
……なんて顔をして会えばいいのだろう。
今日は大野さんの会社に顔を出す日ではないから、会社で会うことはないけれど、大野さんは今日もここに帰ってくるはずだ。
なんで抑えられなかったんだろう。
彼が作ってくれた朝食を食べながら溜息をつく。
大きな欠伸をしたところで、視界の端に一冊の雑誌が目に入った。
大野さんの持ってきた大きな荷物の中に入っていたやつだ。
日本のときのままにしてたから…と、いらないものまで持って来ちゃったと苦笑いしていたのを思い出す。
昨日までは出ていなかった気がするけど、朝に大野さんが見たのだろうか。
その雑誌には、深く織り込まれて自然と開くページがあった。
こんな企業雑誌、私が見たってわからないことだらけなんだろうなと思いつつも、箸を持ちながら片手でペラペラと捲る。
一気にあいたそのページには、若き社長特集が組まれていて、ひとりの男の人がインタビューを受けた写真が載っていた。
「…きさらづ、こうへい…?」
…この人…みたことある…
確か…一回だけお店に接待で来た…
あの、三嶋さんが秘書やってるところの社長だ!!
急いで水を飲んで食べているものを流し込むと、箸を置いて見直した。
「木更津光平31歳…」
大野さんが目覚める直前に言ってた名前…
『きさらづ…』
彼の声が頭の中に響く。
時計の裏のイニシャルのK。
この人…名前がKだ。
「…まさか…」
………バカみたい。
そんな偶然あるわけない。
たまたま、イニシャルがあっているだけだ。
とは思いつつも、私は気がついたら、携帯で木更津光平という人を検索にかけていた。
目が覚めると、大野さんはいなかった。
日本にいたときのことを思い出して、慌てて起き上がり辺りを見渡すと、仕事に行ったらしい。
置き手紙と、作ってくれた朝食が置いてあった。
じわじわと昨日のことを思い出して、恥ずかしさと後悔の波が一緒になって襲ってくる。
……なんて顔をして会えばいいのだろう。
今日は大野さんの会社に顔を出す日ではないから、会社で会うことはないけれど、大野さんは今日もここに帰ってくるはずだ。
なんで抑えられなかったんだろう。
彼が作ってくれた朝食を食べながら溜息をつく。
大きな欠伸をしたところで、視界の端に一冊の雑誌が目に入った。
大野さんの持ってきた大きな荷物の中に入っていたやつだ。
日本のときのままにしてたから…と、いらないものまで持って来ちゃったと苦笑いしていたのを思い出す。
昨日までは出ていなかった気がするけど、朝に大野さんが見たのだろうか。
その雑誌には、深く織り込まれて自然と開くページがあった。
こんな企業雑誌、私が見たってわからないことだらけなんだろうなと思いつつも、箸を持ちながら片手でペラペラと捲る。
一気にあいたそのページには、若き社長特集が組まれていて、ひとりの男の人がインタビューを受けた写真が載っていた。
「…きさらづ、こうへい…?」
…この人…みたことある…
確か…一回だけお店に接待で来た…
あの、三嶋さんが秘書やってるところの社長だ!!
急いで水を飲んで食べているものを流し込むと、箸を置いて見直した。
「木更津光平31歳…」
大野さんが目覚める直前に言ってた名前…
『きさらづ…』
彼の声が頭の中に響く。
時計の裏のイニシャルのK。
この人…名前がKだ。
「…まさか…」
………バカみたい。
そんな偶然あるわけない。
たまたま、イニシャルがあっているだけだ。
とは思いつつも、私は気がついたら、携帯で木更津光平という人を検索にかけていた。
