
エスキス アムール
第50章 甘えたい甘えられたい
「馬鹿だなあ!タカも意地悪するね。
そんな子供の頃の話を…ふふ」
先ほどのあった事を洗いざらい話すと、思いがけず木更津は大爆笑して一蹴した。
「で、でも隆さんと話すときの木更津、いつもと違ってた…」
「それはもう昔からの癖かな。
あの人は4つ上でね。小さい頃から遊んでもらってたから。
実の兄みたいな感じになっちゃって」
「で、でも…光弥さんて人も…」
その名前を出すと、木更津は少し困ったように笑って、そうだなあと言いながら説明をはじめた。
「光弥さんはね、僕の家の執事だったんだけどね、その人は僕の初恋の人だったんだよ。それで…」
「ちょ、ちょっとまって」
「ん?ああ、僕は昔から男性が好きだからね」
いや、そこじゃない。
今更木更津が男性を好きだったと聞かされても、驚きはしない。
俺が問題にしているのはその前だ。
その前。
「し、執事って…?」
「執事知らない?家に住み込みで…」
「しってる!!しってる。
違くて、な、なんで家に執事がいるの…?」
「え?だって僕の家…」
