
エスキス アムール
第52章 第二の木更津
【波留side】
がチャリとドアが開く音がして、玄関に駆け寄る。
今日は早く仕事が終わり、家で夕飯を作って木更津をまっていた。
木更津はいつも通りの時間に帰ってくると思っていたから、本を読んでいたのだけど、木更津も今日は早かったようだ。
嬉しくなって急いで駆け寄ると、木更津にいつもの微笑みはなく、俺を見つめた。
「おかえり…」
「ただいま、波留くん」
おかえりと言えば、ちゃんといつものように返してくれる。
心なしか元気がないというか、機嫌が悪いように感じるのは、仕事で疲れたのだろうか。
「風呂も沸かしてあるし、ご飯も作ってあるよ。
風呂につかって身体、休めて……」
休めてきなよ。
そう言おうとした俺の言葉は、木更津の唇に吸い込まれていく。
突然のことで驚いていると、木更津は唇を離して痛いほど俺を抱き締めた。
「きさ…、こ、光平……?」
まだ慣れない呼び名。
どうしても木更津といいかけて、いつも恥ずかしくなって口ごもるように呼ぶ。
最近は光平と呼ぶのが恥ずかしくて、木更津を名前で呼ばずに、ねえ。とかあのさ、とか。
めっきり名前で彼を呼ぶことが少なくなってしまった。
がチャリとドアが開く音がして、玄関に駆け寄る。
今日は早く仕事が終わり、家で夕飯を作って木更津をまっていた。
木更津はいつも通りの時間に帰ってくると思っていたから、本を読んでいたのだけど、木更津も今日は早かったようだ。
嬉しくなって急いで駆け寄ると、木更津にいつもの微笑みはなく、俺を見つめた。
「おかえり…」
「ただいま、波留くん」
おかえりと言えば、ちゃんといつものように返してくれる。
心なしか元気がないというか、機嫌が悪いように感じるのは、仕事で疲れたのだろうか。
「風呂も沸かしてあるし、ご飯も作ってあるよ。
風呂につかって身体、休めて……」
休めてきなよ。
そう言おうとした俺の言葉は、木更津の唇に吸い込まれていく。
突然のことで驚いていると、木更津は唇を離して痛いほど俺を抱き締めた。
「きさ…、こ、光平……?」
まだ慣れない呼び名。
どうしても木更津といいかけて、いつも恥ずかしくなって口ごもるように呼ぶ。
最近は光平と呼ぶのが恥ずかしくて、木更津を名前で呼ばずに、ねえ。とかあのさ、とか。
めっきり名前で彼を呼ぶことが少なくなってしまった。
