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エスキス アムール

第58章 邪魔






するりとシャツの下に手を滑り込ませてなで上げるとまたビクリと身体を震わせる。



「や…め…やぶ、き…っ」




相当敏感みたいだ。
何回も彼がイく姿を想像してゾクゾクする。



「波留くん…お願い…僕を、受け入れて…」

「……っ」



波留くんは僕の姿が見えていない。

後ろから聞こえる、光平くんに似ている声が彼の判断力を鈍らせているみたいだった。


このままいかせたい。




「ほら…波留くん…」

「……っあ…ん」


可愛い声を漏らす彼に興奮する。
いつもこんな声を聴いている光平くんが本当に羨ましかった。



「だめ…やぶき…」

「波留くん…違うよ。いいから力、抜いて…?」

「ん…ふ……や、ぶき…っ」

「大丈夫だから…波留くん…波留くん…」

「や、めろ…っやぶき、やぶき…だめ…だめ、だって…!!」

「……っ」



思い切り手を振り払われる。
また、抵抗された…。



なんで、光平くんの真似したのに…っ

どうして…。




「俺は…俺は、そういうことできない。矢吹と…っ」



波留くんは息を切らしながら、服を乱したままそういった。
振り向いて僕を見つめるその瞳はとても哀しそうで。


ああ、僕は大切な人のことを、傷つけたんだなと、呆然と思った。




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