無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「矢吹は、波留くんよりも、僕みたいなタイプがいいと思うよ。」

「………、は？！」



急に口説くみたいなことをしてくるから、思い切り反応してしまった。

何を言っているんだ。
妙に慌ててしまう自分に腹が立つ。

そんな僕を見て、光平くんはすぐに否定した。




「あー、違う違う。
僕のことを本当に好きになられても困るんだけどね。」

「あ…当たり前だ！」

「ただ、ね。
波留くんって、甘えん坊だから。
きっと矢吹も…、誰かに甘やかされタイプだと思うんだよね。」

「……」

「波留くんは…もう…甘えるしかしないからね。」


光平くんは波留くんのことを思い出しているのか、くすくすと笑った。

確かに、甘えん坊同士がうまくいくはずがない。

だけど、僕は波留くんに甘えて欲しいと思っていたのだ。

だから、いつまでたっても甘えない彼にイライラしていた。