
ゆゆのための。
第2章 ✡04.23
彼は、とても優しかった。
嫌いだ。
と、思ったこともなかった。
だけれど、歳の差は4歳。
わたしが高校生になったら
彼は大学生。
彼は、両親の小児科を
継ぐことが夢だった。
まだ子供だったゆゆは、
夢を語る彼を見ることが好きだった。
でも現実は、
夢を見る男の子の傍に
いることは、とても難しいのだ。
彼は、夢をかなえるため、
日本で1番頭のよい
大学を専願し、
大学に合格した。
彼が大学受験にも関わらず、
ゆゆは、高校の受験勉強のため
彼の家に毎日泊まっていた。
彼は、ほとんど勉強という
勉強をしていないのに、
軽々と合格し、
ゆゆのもとから去っていった。
3月16日のことだった。
