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滝が教室に着いた頃
一人の男が「待ってました」と言わんばかりのオーバーなリアクションをしていた。

「たーきーちゃーん！バドミントン俺ちゃんとダブルス組んでたの忘れちゃったのー⁇人居ないからって、俺ちゃん一人でバドミントンしちゃいましたよー！」

皆藤は笑い声がデカいヤツだ。

別にどうって事も無い話題で盛り上がり、そして騒ぐ。毎日あんなにうるさいと皆藤自身精神状況の心配をしてしまいそうになるのは間違いない。

「…ごめん、ジャージ汚れてたから…」

はーん⁈と大きな声でクエスチョンマークが見えるかの様に強調して言う皆藤。

「お前さー、だからって授業休むことぁないっしょ！」

「え、でも…「俺ちゃんはタキちゃんが毎回体育休んでるからそろそろ心配になってるだけなのさっ！」

割って入ってきた皆藤の一言に滝は強い憤りを覚えた。

一体誰のせいで、そんな感情は相手に伝わること無く皆藤は選択教科の為に移動していった。

「タキちゃん、またな〜！」

誰も助けようとはしない。助ければ巻き添えを喰らうだけだ。

無理に場に馴染もうと努力する者も居たが、逆効果も甚だしかった。

それが集団生活なのだな、と痛感して行く滝であった。