《番犬女》は俺のもの
第9章 おしおきの時間
引き寄せられて、彼の胸で受け止められる
「…しの…?」
「本当に俺って…弱いよね」
壁にもたれたまま零は茜を抱きしめた。
「…茜さんは強い、よね」
「何言ってる…っ」
茜は彼の胸から顔を離して、そして意味のわからないことを言うこの男を睨んだ。
「日本語を話せよ…!! 話をそらすんじゃ…//」
「…ごめん」
「‥‥なッ///」
暗いビルの中…間近で見る零の顔。
彼はもう、いつものようにへらへらと笑っていた。
「俺だってさ、暴力沙汰にも警察沙汰にもする気なかったし」
でも、やっぱり駄目だったなぁ
だって俺がビルに入って部屋の様子を見たとき
茜さんが男に囲まれて上着脱がされてたんだよ?