《番犬女》は俺のもの
第9章 おしおきの時間
「…え…ッッ」
なにしてんだこの変態は!?
「‥離‥っ、…!!」
茜は急なこの展開についていけず動揺しながら、とりあえず彼を押し退けようとした。
グッと力をこめる…
「…?? 」
けれど彼はびくともしない。
めいっぱいの力でやってみるものの、被さる身体はそのままだ。
「さっきの不良達には悪いことしたな…。検討違いな場所に怒りをぶつけたことを反省するよ」
「…なぁ…っ…離れろって!」
「ちゃんと、おしおき。……してからね」
「…篠田…ッ」
彼女の鎖骨を生温かい "何か" が這う。
最初はそれが何かわからなかった。
首筋をつたってきたそれが、ざらりとした感触で肌を刺激するのを…訳もわからず感じているしかできない。
──なんだ…これは‥っ
「…このぉ」
どうする?
押し退けるのが無理なら、攻撃するべきか
“ こいつの頭に右ストレート、か…っ
もしくは首に…? いや、
身体を支えている腕を狙うべきなのか…!? ”
混乱したままだ──
どこを狙うべきかうだうだと考えてしまう。