《番犬女》は俺のもの
第9章 おしおきの時間
うだうだ考えている余裕なんてないことに、茜は早く気が付かないといけない。
首筋にうずまる零の頭に彼女が両手をあてがった時、零の左手が茜の右手首をとった。
「──…!!」
そのまま左の手首もひとまとめに捕らえられた。
零はいったん首筋に這わす舌をおさめて
茜の両手首を捉えた様子を目の前で見せつける。
「今日のもろもろで気がついたと思うけど」
「……っ」
「俺、茜さんよりも力は強いから」
そして零は微笑む。
ふざけるなと言おうとした茜はその言葉を呑み込むしかなかった。
──何故なら本当に…
“ 抜けられない……!! ”
完全に組みしかれているからだ。