《番犬女》は俺のもの
第10章 見舞い
部屋の扉を開けると、そこに立っていたのは茜。
零にとっては意外すぎる訪問者なわけで。
「…家の場所教えてたっけ」
何でここを知っているんだろう。零はクラスの誰にも自分の住所を教えてはいなかった。
「もしかして影でストーキング活動を」
「んなわけあるか。病院で聞いたんだ」
病院を訪ねてみたら、零は勝手に退院したあと…
そこで茜は彼の住所を聞いてここに来たのだった。
「何故、無理いって退院したんだ」
「だって手術も終わってるんだし…」
「…完治するまで気を抜くな。一度は腐りかけた指なんだからな…!!」