《番犬女》は俺のもの
第14章 水も滴るイイ女
シャワールームは男子、女子更衣室にそれぞれ五つづつあるのだが、授業の後は込み合うので使用禁止だ。
球技大会の後などもってのほか──
今回、唯一シャワーを使えるのが選ばれたこの二人というわけ。
誰もいない更衣室で
身体を拭いた茜は制服に着替える。
髪を乾かすのは面倒なのでそのまま出てきた。
「──…」
「湯加減はどうだった?」
更衣室の戸を開けると待ち構えていた零が声をかけてきた。
零は制服を着ておらず、白シャツ一枚を羽織って見るからに風呂上がりな格好。
茜と同じように濡れたままの髪をハンドタオルで拭いていた。