《番犬女》は俺のもの
第14章 水も滴るイイ女
「誰のせいでそーなったか、わかる?」
「……っ」
「ラブレター大量に贈られちゃう人気者さん、ね?大会中もきゃーきゃー応援がまぶしいったら…ハァ、女の子だけならまだしも…男からまでうぉーうぉー言われてるし」
「お前が言うことかよ…っ」
きゃーきゃー うぉーうぉーは篠田の方だろ
自分のことを棚にあげて何言ってるんだ我が儘め
壁についた零の腕をくぐって去ろうとした茜。
──
ダンッ
「…!」
「──…俺、独占欲強いから。
どうにも我慢ならないんだよね」
零はくぐられないように手を下にずらし
身体を屈めて壁際の彼女に迫っていった。