《番犬女》は俺のもの
第14章 水も滴るイイ女
「…篠田が好き…?」
「深く考えなくていい。茜さんは俺のことが好きで…俺も茜さんが好きだから。これってつまりは相思相愛、世の人間たちは大喜びだよ」
「…// だが、そんな甘ったるい感情は…!!」
「──" 好き " だなんて気持ち持ったら、自分は女なんだと認めなきゃいけない、…って思ってるんだろう?」
「……っ」
自分の言葉を先回りされて、茜は何も言い返せない。
「いいじゃん、別に」
「……!」
「茜さんは女でも俺より強いよ。強さなんてのは、喧嘩やスポーツで測れるモノじゃないんだから」
「……嘘つけ」
「……」
「…お前は…何やらせても完璧だろ…っ」
「…、すねてる?」
「……馬鹿か」
「……、ハァー」
プイと顔をそむけた茜に、苦い笑みを浮かべながら零は溜め息をついた。