《番犬女》は俺のもの
第14章 水も滴るイイ女
「いまの俺からこうやって…っ
──弱さが全面に出てるのわからない?」
「…!篠田…ッ!?」
零の声が苦し気にかすれた。
彼は床に座った茜を抱き上げて部屋にはいり、中央の長いすの端に彼女を座らせた。
茜を座らせたあとで自分はその前に片膝をつく。
二人の高さは同じくらい。
零の方が少しだけ低くなった。
「…篠田が弱い…? …ッ…ふざけるな…」
やっぱり顔をそむけたままの茜は、…声が少し震えていた。
「──…ッ、反則…っ」
「……は?」
「反則級にヤバい…」
そむけた彼女の横顔が可愛すぎる
……ダメだこれ
「…水も滴るいい女に、そんなそそる膨れっ面を披露されたら仕方がないよね」
「何言ってやが…ッ──」
我慢ならなくなった茜が言い返そうと前を向いたとき──
同じように我慢がキレた零が、身をのりだして彼女に唇を重ねてきた。