《番犬女》は俺のもの
第15章 オオカミさん
その時、茜の表情に初めて変化が出た。
「──…今の顔…いいよ」
笑みを浮かべた零が囁いた。
それまで零の手を見ていた目がくっと細まり、…まるで教科書の端で指を切ってしまった時のような…予想外の痛みに見せる、一瞬の驚きと動揺がいりまじった表情。
違うとすれば今回は痛みではなく
彼女が知らない未知の感覚だということ。
「…これは…ッ 、篠田…!?」
困惑に焦りが加わり、茜の背が逃げるように丸くなる。
けれどそんなことをしても零の指は離れないので、いつの間にか彼の身体を押していた。
このままでは椅子から落ちてしまうわけで
零がしっかりと支えている。
「…硬くなってきた…わかる?」
「……? ハァ…なん…でっ」
「茜さんのカラダは…俺の指が好きみたい」
次第に突起は凝り起つ…。
彼女がこの行為に《快感》を感じ始めた証拠。
硬さを増したそこを擦られ続けると
ジンジンとした熱が胸から伝わりだした。
「…ハァ…っ、ハァ…」
「茜さん…。ここをさ、こうされると…どんな気持ち…?」
「──…! ‥は‥ッ」
爪を使って先端を細かく擽られた。
茜は顔を下げて、肩を小さくびくつかせた。