《番犬女》は俺のもの
第15章 オオカミさん
ペチッ
「…っ」
彼女の愛液で濡れた手で頬を軽く叩かれた。
「──…嬉しいから、今日は許してあげる」
「‥‥はぁ、‥?」
ポカンとした茜に顔を寄せて、頬についた蜜を舐めるようにキスをした。
目の下を舌先で擽られて
彼女は顔をしかめる。
「…くすぐったいぞ…っ」
「…クスッ」
零はさも楽しそうに、嬉しそうに…啄むように口づけを施しながら、不敵に笑ってやっと顔を離した。
..チュッ
上体を起こし、茜を解放する。
「……」
左手に残った蜜を眺めたあと、悪戯っぽく指先を口に挟んだ。
もちろん茜がそれに反応すると見越して…。
「……//」
茜は長椅子から起き上がって肘にかかったシャツを肩まで引き上げた。