《番犬女》は俺のもの
第3章 天敵現る
廊下には先ほどの女生徒が立っていた。
「…?」
何で睨まれてんだろう俺
「何か用?」
「お前に聞きたいことがある」
「はぁ…」
とりあえず愛想よく笑ってみたんだが、彼女はそれを突っぱねる冷たい声で返してきた。
「君の名前は?」
もう一度だけ挑戦
愛想よく笑う!
「……、数日前から、この周辺にうっとうしい不良たちがうろついている」
「無視っすか…」
「……連中ともめたのは本当か?」
「……」
なんのこっちゃわからない
「…君は誰?どうしてそんなことを聞くの」
「質問に答えてくれ」
「──…」
彼女は零の問いに耳を貸す気はないらしい。
零が答えず黙りこむと
面倒くさそうにその声に刺を含ませる。