《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
二階建ての小さなアパート。
「……」
自分の家を改めて見たときに、零の住むマンションの外観を思い出して彼女はムスッと顔をしかめた。
後ろの零がどんな顔をしているのかは知らないが、小汚い所に住んでいると驚いているのだろう。
“ それか同情しているか…だな ”
不愉快なことだ。
だが篠田の頭の中で、私は勝手に悲惨な境遇にたたされている。それに比べたら、誤解を解いておいた方がマシだ。
「ふーん」
彼はとくに何も言わない。
茜が階段を上っていったのでついていく。
カン カン カン と金属音が…
扉の前に来た茜は鍵を開けて中に入った。