《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
「じゃナンで、校則破ってまでバイトする必要があるの?」
「……ん? それはな」
零がほどいた髪どめのゴムを取り返して、茜は彼から離れた。今の自分はいくらか汗臭い。
「──…篠田、今から暇か?」
「うん、ヒマ」
「だろうな(汗)」
三時間以上ここにつったっていたぐらいなんだから
「少し付き合えよ」
「……! いいよ」
彼女から誘われて少し驚いたようす。
そんな零を後ろに、茜はさっさと職場の倉庫をあとにしてすれ違ったトラックに軽く頭を下げた。
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二人が歩いたのは十分弱
あっという間に、彼等は茜の住むアパートにたどり着いた。