テキストサイズ

《番犬女》は俺のもの

第16章 新婚生活 開始!?


よくわからない沈黙がしばらく続いて
不思議なにらめっこが始まった。

「……」

母の顔がまっすぐ零に向けられ、二人はぴくりとも動かず笑わず…

見守る茜は、どちらかが変顔でもしない限り終わらないのではと思った。



「…母さん大丈夫?」


「…」


「おーい(汗)」


何を考えているんだろう母さんは


そろそろ割ってはいるべきかと判断したころ、不意に母はフフっと笑って目を細めた。





「いやだわぁ、こんな素敵な男がいたなんて知らなかったわ。ものすごーっくイケメンじゃない!」


「──…」


「母さんは嬉しいわ♪ふふふ」


「…!? 違う、篠田はそんなんじゃなくて…っ」


「篠田くんっていうのね、娘がいつもお世話になっております」



茜の言葉もろくに聞かず、勝手に喜んでいるご様子の彼女は鞄を置くとキッチンで手を洗い始めた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ