《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
「聞いてくれよ、レイ。僕はアカネと友達になりたいのに断られたんだ」
「あ、そー」
「キミは彼女の友達みたいだし、" こつ "を教えてくれないかい?」
「断るよ」
「え…っ」
またもやフラれたハルク。
“ 転校そうそう、あいつ可哀想だな(汗) ”
“ この学校も嫌いになるんじゃね? ”
“ でも声かけた二人がな…特殊だし ”
他にも生徒はいっぱいいるのに…
いきなりラスボスに挑んだりした彼が悪いのかもしれない。
「それに、俺は友達じゃないから」
「‥whats? 」
「俺は茜さんの…──」
「…ッ!! ち、違う!何言い出してんだ!」
零の言わんとすることを瞬時にさっして
茜が慌てて彼の言葉をさえぎった。
「どしたの茜さん」
「…ハァ、だからな転校生…!! 私とお前では歯が合わない、だから他の奴に話しかけろ」
「…イヤだ、僕はアカネがいいんだ」
「──!? なんでだよ」
「なんでって…興味あるから!」
屈託のないその笑顔がからみづらい
その自覚がちゃんとあるのか?
「…興味? 何故…」
「キミのことは知っていたさ。キミに会うために僕はこの高校に移ったんだから」
「──…!」
「青崎でも有名人だよ?凰鳴の…番犬さん」
茶色の瞳がキラリと光る。
彼のその満面の笑みが、急に怪しい影を含んだ瞬間だった──。