《番犬女》は俺のもの
第17章 ライバルな転校生
「キミがアカネの友達!」
「……?」
「ヘェ、意外だな」
ハルクは、茜に拒まれた握手を零にさしだした。
「僕はハルク・ウィルアーニ」
「…、篠田 零」
面白くなさそうな表情だがとりあえず握手はしておいた。
“ 久藤だけでなく篠田にまで…。何も知らない転校生はすげぇな(汗) ”
“ 怖いもの知らずだ… ”
クラスメイトはカリスマ二人に臆せず話しかける彼に冷や冷やしながらも、羨ましくもなってくる。
欧米人の積極性に感心してしまう。
「──…レイ? 」
「……」
彼の名を聞いたハルクの目が…
一瞬だけ細まった気がした。
「…? …どうした」
それに気付いた茜が首をかしげる。
「──…っ」
しかしハルクはすぐに口元をゆるめ、人懐こい微笑みを見せながら握手の手を引っ込めた。