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《番犬女》は俺のもの

第19章 警戒


ハルクの授業成績はあまりいいものではなかった。

英語の授業は当たり前のように得意、しかし数学や理科科目は基礎的なこともあまり理解できていなかった。

おそらく青崎高校ではまともな授業が展開されていなかったのだろう。


『アカネ、宿題を手伝ってよ』

『先ずはこれを読んでおけ』


勉強を教えてほしいと寄ってきたハルクに、茜が渡したのは中学時代の教科書だった。


パラパラと中身を確認して

『めんどくさ…』

外国人らしからぬ言葉で露骨にげんなりした彼を、周りのクラスメイトは笑った。



『オレが教えようか?』

『今日の宿題の答え見せ合おうぜ!』


よって教師からしたらちょっとした問題児だが、生徒たちの懐に入るのはうまいようだ。


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