《番犬女》は俺のもの
第19章 警戒
「1位…梗子さんじゃないの?」
「篠田くんだわ!凄いけど…っ これ本当なの!?」
ザワザワ ザワザワ
生徒たちは驚いていた。勉強のトップは今までずっと梗子が独占していたのに、その順位が初めてくつがえされることになったからだ。
その点差は僅かに1点。
“ バカな…、花崎さんがあいつに負けるなんて…! ”
これは教師の採点ミスではないのか?
よりにもよってあんな変態に負ける筈が…!!
「あーかねさん」
その時、ご満悦な男が廊下の茜のもとへ。
「……、何の用だ。今は機嫌が悪いぞ」
「それは残念。頑張ったご褒美もらいに来たのに」
「──っ、言われなくても、後で渾身の蹴りをいれといてやる…!!」
「…コワ」
篠田に敵わないことがまた増えた。
それに、花崎さんまで──許すまじ。