《番犬女》は俺のもの
第19章 警戒
「アカネ~!」
「──!?」
今度はなんだよ!!
零よりも高めの声で意気揚々と現れたのは、4組の人気者、厄介者第2号。
ハルクは興奮ぎみに振り向いた彼女に駆け寄った。
「なんだよ…っ」
「アカネに誉めてほしくて来たんだ」
零と同じことを言っている。
それに気づいたのは零も同じなようで、彼の表情は一瞬にして冷めた。
二人のところの邪魔をしたかったのか
ハルクは茜の見ていない隙に、零に向かってニヤリ微笑んだ。
「…やぁ1位のレイ。おめでとう」
「ありがとう格下くん」
ハルクに祝われても何も嬉しくない。
「…おバカなお調子者は、引っ込んでいなよ」
「──…」
「…? …おい(汗)」
零の態度の豹変ぶりに、さすがに茜は心配になってくる。