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《番犬女》は俺のもの

第1章 生徒会の番犬




───…


…って、たった2ページで終わってたまるか!



「……」


パラパラパラ


「…うう…っ、くう~」


奪われた写真集の中身を無言で確認され、言い訳のできなくなった状況でうなだれる男子たち。


そんな二人に冷たい声がかけられた。



「──何か言い訳はあるのか?」


確認した写真集をパタリと閉じて
表紙が見えるように突き出す。



「この本が学業に必要な物だと言うのなら詳しく聞いてやらないこともない」

「……」

「…そうでないなら没収だ」

「……、ちっくしょう」


ひとりが悪態をつく

本を売ろうとしていた男だ。



「……ぐズッ」


ひとりは泣いていた

本を買おうとしていた男だ…。




「…では、これは没収ということにする。異論はないな?」

「……」

「…グズッ」


鞄だけを男子生徒に投げ返して

《そいつ》は二人に背を向けて昇降口の階段を上がっていった。








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