《番犬女》は俺のもの
第21章 秘め事
「ここで問題です!」
「──(イラッ)」
「…ッ…あ、殴るのはやめとこーね茜さん」
焦らす零に思わず手が出る。
そんな彼女をいったんなだめた後
気を取り直して …
「俺が格下くんの事について詳しいのは何故でしょうか。──答えは3択です」
「……」
「一、俺が天才だから」
「……」
「二、俺が変態だから」
「…。(これが正解か?)」
「三、俺が──…」
ふざけて笑う零は、3択目の発表を前にして
あげていた人差し指の力を抜く。
「…俺が、イギリス人だから」
小さいがよくとおる声だった。
「……!?」
「…ほら、問題の難易度はやさしめにしといたよ。──…茜サン」
「なんの冗談だ…?」
「聞こえない、さぁ…早く答えを教えてよ」
「…っ」
聞いた以上は答えなきゃね
零は彼女をせかすように身体を前に屈めた。