《番犬女》は俺のもの
第21章 秘め事
──篠田が日本人じゃない?
「…まさか」
ハッとした茜は、かがんだ彼の瞳を正面から確かめた。
近づかなければわからないほどの
僅かにグレーがかった零の瞳を。
「それはカラコンではなかったのか」
「……」
「…ならその茶髪も、か」
ふわふわと軽めの彼の髪は
随分と明るい茶色をしているのだ。
“ 全く気が付かなかった ”
「──答え、わかった? 」
「正解は三番目だな、お前はハルクと同じ…」
.....
「ブー、不正解」
「──!」
「…正解は、この中にありません」