《番犬女》は俺のもの
第22章 茜サンは、強いよね
部屋に広がる濃厚なパスタソースの薫りと合わさって、至福のトキが二人を包み込む。
彼女の制服のボタンを外しながら、零が首筋にもキスをした。
肩からシャツを引き下ろして…
服の中に手を滑り込ませた。
「……っ」
鍛えられた茜の身体でも、女性的な柔らかさは捨て去れない。
「…おいッ 篠田…」
「──ん?」
「可笑しいだろ…! なんでいつも私ばかり…」
その時、手の甲で口許を隠しながら、真っ赤な茜が不満をこぼした。
学校の更衣室での時もそうだった…
「…私だけ脱がされてるのは、…癪だ//」
──それは別に彼の服を脱がせたいわけではなくて
零だけが服をきっちりしていて
自分だけが、剥ぎ取られている
この状況がやけに厭らく感じるからだった。