《番犬女》は俺のもの
第24章 クリスマスを君と…
──…
「──…花崎さん、24日の予定は?」
「…わたし?」
後日、暗くなった街並みの中、下校中の茜と梗子。
いつものように帰りが遅くなった梗子のために、茜は自分も居残っていたのだ。
──それは、梗子と帰りたいからというより
ひとりで帰らせるのが心配だから。
「24日は塾の冬期講習があるわ」
「そうか」
「…何かあった?」
「いや…っ」
クリスマスでーとについて相談しようかと思ったけれど、聞き返された茜は、何から説明していいかわからずに口ごもった。
相談相手に梗子が適任かは不明だが、こんなことを話せるのは彼女しかいない。
凰鳴高校では、茜は孤高の女でなければならないのだから。