《番犬女》は俺のもの
第24章 クリスマスを君と…
「──…んじゃ、優しい優しい会長サンにお願いがあるんだけど」
「はい、何ですか?」
「24日」
「…」
「僕に付き合ってよ」
「…? それは」
ハルクの言うことの真意が掴めずにキョトンとした梗子。
“ 24日…? ”
『クリスマスは恋人同士で過ごすでしょう?』
「…あ//」
今日の帰り道にて、自分が茜に言った言葉を思い出した。
「それは…できかねます」
「どうして? 悩める生徒の頼みだよ」
「24日はいけません!」
「──…聖なる夜、だから?」
よーし やっと自分のターンだ
ハルクは彼女の隣に腰を下ろした。
「クリスマスイブだもんね」
「……っ」
「一人で過ごすなんて堪えられないよ。…ネ、僕を助けてよ会長ーさん」
「我が儘な人ですね…」
強引な誘いに困ってしまった梗子は、隣の男を軽く睨んだ。