《番犬女》は俺のもの
第25章 みとめない!!!
明日は終業式。冬休みが始まるまでにこの冊子を人数分用意して、生徒に配らないといけないらしい。
今日中に返さないと。
「──…篠田、先に帰ってろ」
「…え、茜さん家に?」
「お、ま、え、の家…にだよ…!!」
零にはしっかり念押しした後で
茜は道を引き返した。
........
“ 私が花崎さんとデートなんてするわけがないだろう 。だいたい、女同士ならデートとは言わない。遊びだろうが ”
零に言われた冗談。
梗子まで一緒にからかわれたように感じて、茜はいつもよりご立腹だ。
くっそー篠田め……
「……!?」
はたと足が止まる。
「あいつ…」
梗子の家まで戻ってきた茜は、目に入ってきた光景に唖然とした。
ちょうど玄関から出てきた梗子が、一緒に出てきた誰かと門の前で話している。
その相手は、ハルクだった。