《番犬女》は俺のもの
第4章 Rock oN!!!
「……ふん」
「いッた…」
茜は腕を組んで、痛そうにうずくまる零を見下ろしていた。
油断した零の隙を狙って
茜が頭突きをくらわしたのだ。
「…ふざけた奴」
彼女はすっかり怒ってその場を立ち去っていく。
茜の家は、駅をはさんで向こうの住宅地だ。
零はおきざられた。
一連の様子を見ていた通りすがりの人たちが、見事に返り討ちにされた彼を気の毒そうに眺めていた。
「なんて女だ…」
ヒリヒリとでこが痛い
あまりにも強い頭突きのせいで目眩さえしてくる。