《番犬女》は俺のもの
第25章 みとめない!!!
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ハルクは悠々と帰ってしまったわけで。
おさまらない怒りを向ける矛先を、茜は無くしてしまったわけで。
「花崎さん…その、あいつの用事って…?」
その怒りを梗子にぶつけないよう細心の注意を払いつつ、恐る恐る茜は尋ねた。
「…いろいろ…悩んでるみたいだし。今度、相談にのってくれないかって」
「今度?…って いつのこと?」
「…に、24日なの」
「──は?」
いかんいかん、思わず口調が喧嘩腰に。
「…ンや、──その…。24日は、不味くないか?」
「…う…ん、そうなの…っ」
「…まさか花崎さん。それを承諾したりは…」
「う、うん!まだ…行くとは言っていないわ。だって冬期講習だってあるし…。──でも、相談にのるって言い出したの…わたしなの」
「……」
「だから断りにくくって」
「──駄目だよ、花崎さん」
「……っ」
これまた言いにくそうに話す梗子を
茜が遮った。