《番犬女》は俺のもの
第25章 みとめない!!!
「あら…篠田くん」
「ご無沙汰です、生徒会長」
「ええ、そうですね」
ちょいと待てい
同じクラスではないのか御二方よ。
…どうやら、お互いに会話をするのが久しぶりとのことらしかった。
「会長、この冊子をどうぞ」
零は茜から紙袋を奪い、梗子に差し出す。
「…ん?あっ そうだったわ。ありがとう」
「あーこれ重いですね。家の中まで運びましょうか会長」
「大丈夫!このくらい持てますよ」
「さすがです!──では」
ガッシ
「はい」
梗子は冊子を受け取った。
「じゃあ俺たちはこれで。明日の終業式のスピーチ楽しみにしてるんで!」
「…あっ、いけない 原稿がまだでした。すぐに考えないと…っ。ありがとうございます!」
「いえ、健闘を祈ります」
「はい!」
明日までの大事な宿題を思いだし、梗子は急いで家の中に戻っていったのだった──。