《番犬女》は俺のもの
第25章 みとめない!!!
「離せ…ッ おろせ篠田!」
「イヤだ」
このまま連れて帰る…
「わかってないよね、茜さん」
零には茜を自由にする気なんてない。
じたばたする彼女を気にも止めず、頭を狙ってくる脚を時おりかわしながら…零は歩くのをやめなかった。
「格下くんの事なんて、ほっとけばいいのに」
(復習──格下くん = ハルク)
「確かに、格下くんの家がロンドンの裏社会でちょっとした有名人だって…教えたのは、俺だけど?」
「だから危険だろうが」
「その息子だって、恋愛くらいは人並みにするんじゃない?それにいちいち口を出す茜さんは、しょーじきヤボっていうか…」
.....
「──…いつまで…あの女の《番犬》気分でいるつもりなの? っていうか」