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《番犬女》は俺のもの

第26章 決別




────…




その日は、初雪だった。


クリスマスにはまだ早い。


一足先に都会に降ったその粉雪は、アスファルトを白く覆うには力不足──


冬の柔らかな朝陽にさえ


堪えられずに溶けてしまう。


そんな雪がちらほらと


道行く人々の肩にかかった。



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